薄毛に悩んでいるとき、「薄毛の原因ってなんなんだろう。」と疑問に思うと思います。
男性の薄毛であれば、コチラの記事で紹介した通り、大半(9割)の方が男性型脱毛症(AGA)、つまり遺伝に起因することが分かっているのですが、薄毛の問題は実は複数の要因が併発する形で発生しています。
そして、遺伝の次に重要度が高い要因と考えられているのが、「血流」なのです。男性からしたらAGAに次ぐ2大原因といっても過言ではなく、そこには複数のエビデンスが存在します。
本記事では、血行が薄毛に及ぼす影響について詳しくまとめています。
また、血行を改善するための方法についても紹介します。
ちなみに、私は20代後半から生え際の薄毛に悩み、10年ほど薄毛対策に帆走した結果、おかげさまで薄毛を改善するに至っています。
■ もくじ
1.薄毛と血行の関係
2.血行不良が頭皮に与える影響
3.血流を改善する方法
まとめ
目次
1.薄毛と血行の関係
男性の薄毛に関しては、コチラの記事で既に明らかになっているように、9割以上の方が男性型脱毛症(AGA)であることが分かっています。
しかし、冒頭でも触れましたが、薄毛の原因は「複数の要因が併発する形」で発生しています。
つまり、「AGA+その他の要因」で薄毛になっている、という方も多く見えるという事です。
「その他の要因」の中でも、特に「血行不良」が薄毛に及ぼす影響は大きく、以下に紹介する通り明らかになっています。
学術記事
~DDS を応用した機能性スキンケア・スカルプケア化粧品の開発~ より引用薄毛・脱毛の症状では、成長期がヘアサイクルを繰り返すごとに次第に短縮することで毛包部の矮小化が起こり、太く長い硬毛が段々と細く短い毛に変化し、最終的には休止期から成長期への移行のない毛包の増加によって軟毛数も減少していく、いわゆる男性型脱毛症が最も多く見られる。
この男性型脱毛症の改善施策は、毛包の毛乳頭細胞内でテストステロンからデヒドロテストステロンへの変換酵素である5αリラクターゼの働きを阻害し、男性ホルモン作用を抑制することと、血流循環不良による毛包へのエネルギー供給不足を改善することに大別される。
ウィメンズヘルスクリニック東京とアンファーによる「女性の薄毛と頭皮の血流の関連性に関する研究」より引用
「血流の低下が薄毛の一因となる」ということは、長年考えられてきたが、今回の研究で、女性の薄毛の一因は「頭皮の血流の低下である」ことの実証データを導き出すことに、日本ではじめて成功した。
女性型脱毛症(FPHL)と診断された女性(薄毛の女性)25名と、毛髪が十分豊富な女性(健常毛の女性)25名の頭頂部の細動脈の血流を測定したところ、FPHLの女性の方が血流が低いということがわかり、女性の薄毛と血流の関係性が実証された。
ちなみに、後者の研究は「女性の薄毛」を対象にしているため、男性には関係無いのでは?と思われるかもしれませんが、元々男性の脱毛症については9割以上がAGAを発症していることを考慮すると、この「血行不良」が男性型脱毛症以外の薄毛の最大要因であると言えます。
また、元より東洋医学でも『髪は血のあまり』と考えられています。
「血行不良」の人は、髪のもととなる血液が不足していたり、薄かったりします。そして、髪にこしが無くパサつく、寒がりで手足が冷える、乾燥肌、めまいや立ちくらみを起こしやすいといった症状が見られるのが特徴です。
2.血行不良となる原因
血行不良となる原因は様々であるため一概に「コレ!」というものがある訳ではありません。しかし、主な原因として考えられているのは以下の項目です。
「運動不足」
人間の体は、筋肉を動かすことによって血液を毛細血管の隅々まで循環させているので、体を動かさないと、血液の巡りが滞り、血流が悪くなります。運動不足は血の巡りを悪化させることにも。
「喫煙」
タバコに含まれるニコチンにより血管が収縮し、皮膚の毛細血管の血行が悪くなります。まさに百害あって一利なしです。
「ストレス」
自律神経がストレスによって乱れることで、血液の循環調整機能が正常に働かなくなります。夜遅くまでスマホやパソコンによるブルーライトを浴びていると、脳が活性化することで自律神経の乱れにつながります。睡眠による成長ホルモンの分泌は、最初の90分間でいかに質の高い睡眠が取れるかどうかに大きく関わってきます。髪は寝ている間に発生する成長ホルモン育つのです。また、目の疲れや精神的なストレスで、耳の上の側頭筋が硬くなることも、血流に悪影響を与えています。
「食生活の乱れ」
緑黄色野菜や魚、豆類などの摂取が不足すると、筋肉の働きや血流改善に必要な栄養素が不足し、血流を悪化させます。また、ジャンクフードなど脂っぽいものを日常的に食べていると、頭皮の皮脂の分泌量も多くなり、頭皮を含む体全体が酸化(=老化)しやすくなります。
また、上記4項目による血行不良は、薄毛に止まらず、万病の元「動脈硬化」をも引き起こす原因になります。
医学教育に大きな貢献をしたウィリアム・オスラー博士は「人は血管とともに老いる」という有名な言葉を残していますが、これは「人の老化=血管の老化」であり、「血管の老化=動脈硬化」であるということを意味しています。
つまり、上記項目は薄毛の原因であると同時に、老化の原因にもなるということなのです。
3.血流を改善する方法
前項で説明した各項目は、薄毛の原因であると同時に、老化の原因にもなるということでしたが、ともなれば何とか血流を改善させたい、そう願わずにはおれません。
各項目に対する改善策にも様々な方法があるため、ここでは代表的な改善策を紹介します。
運動
運動の中でも特に血行促進に有効な、ウォーキングやジョギング、水泳といった有酸素運動がおすすめです。
有酸素運動は、筋肉に適度な刺激を与え続けることで血行促進が期待できますし、疲労の原因物質とされる血中の乳酸を筋肉や肝臓などでより効率的に処理されるようです。
運動の強度を抑えれば新たな乳酸の発生も少ないため、動かずに休養するより疲労が取れやすいというメリットがあります。
また、「第二の心臓」とも呼ばれ、全身へ血流を巡らせるポンプの役割を果たしている「ふくらはぎ」をマッサージするのも有効です。これは運動ではありませんが、血行促進には有効な手段となります。
喫煙
まさに、「百害あって一利なし」です。
現在では、禁煙外来に行けば、簡単に禁煙出来る薬がありますし、私の友人もこれで簡単にタバコを卒業しています。
ストレス
副交感神経を優位にすることで、毛細血管が開き、血流の改善が見込まれます。
逆に交感神経が優位な状態では、毛細血管が収縮して血圧が上昇してしまいます。その状態が続くことは、毛細血管にとって望ましくありません。規則正しい生活や質の高い睡眠、リラックスタイムをきっちり取ることなどで、副交感神経が優位になる時間帯をつくるようにします。
お風呂はお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経を優位に出来ます。熱い風呂に体全体を入れてしまうと、体の芯が温まる前に頭に血が上りのぼせてしまいますので、熱すぎない温度で長時間半身浴を行うことが、一番のおススメです。
食事
例えば脂質異常症(高脂血症)にならないよう、ポテトチップスやチョコレートといったコレステロール値を上げる食品を控え、野菜・果物・大豆食品といったコレステロール値を下げる食品を摂るなど、食事のバランスに気を付けることです。
また、野菜や果物は抗酸化成分を多く含むため、LDLコレステロールの酸化を防ぐ意味でも積極的に摂取したいところです。
食後高血糖にならないよう、「野菜から食べる」「よく噛んで食べる」「腹八分目に留める」ようにしましょう。
マッサージ
上記項目までは、体全体の血流に関する内容ですが、ここでは頭皮に作用させるためのマッサージ方法について紹介します。
コチラは花王のヘアケア研究所が考案し、その効果を報文としてまとめたものです。
例えば、このマッサージにより血行促進作用が平均約120%まで上昇させることができ、その効果は20分程度持続するとのことです。
余談
お酒は日本酒なら1合、ビールでは大瓶1本程度なら、デメリットよりもむしろ心筋梗塞を予防する効果が期待でき、血圧などにもほとんど影響がないので、肝臓が悪くない限り禁酒の必要はないそうです。
【参考】国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス「人は血管とともに老いる」
まとめ.
いかがでしたでしょうか。
血流の悪化は薄毛のみならず、非常に多くの病気に影響を及ぼすことが分かっていただけたと思います。
しかし、同時にその対策も様々に存在するため、一体何から実施してよいか悩まれるかもしれません。
しかし、どのような改善策を実施するにしても大切になることがあります。それは、
『改善策は、習慣化してこそ意味がある』
という事です。
前項で説明した各項目は、生活習慣病とも言え、その言葉の通り生活習慣の結果、生じるものばかりです。
短期的にその改善に取り組んでも意味がありませんので「先ずは一つ」自分の体が求めるものを直観的に選び、3週間取り組んでみて下さい。
それでは、本日もお読み頂き誠にありがとうございました。
[…] 特に、遺伝に次いで、髪に影響を及ぼすのが「血行不良」なのです。(過去記事参照) […]